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2020-04

尼崎の大火事

3月8日の夜10時過ぎに地元の消防団詰所のサイレンが鳴り響いた。
消防団員であった私は急いで詰所に駆けつけ、消防車に乗り込み、他の団員3名と共に火災現場に向かった。
向かっている途中で大火災の予感がした…東南の空に真っ赤な火柱が上がっているのが橋の上から見えたからだ。

「こりゃ、ヤバイな…」

現場に到着して、消火栓を確保し、私はホースを持って走った。
目前にはトタンの外壁が炎と黒煙を纏っていた。

「水出してー」ホースの筒先をもう原型を留めていない商店の屋根へ向けた。両腕と腰にググっと力がかかる。

放水を始めて、随分時間が経ったが、なかなか消えない。3人で筒先とホースを持ち、長時間の放水に耐えた。

しばらくして、出火元の商店の炎は少し弱まったように見えた。放水止めの命令が入り、しばらく焼け落ちた商店の前で待機していた。
すると、他の分団員の「横にホースまわせー!」という声に反応し、水の入った重たいホースを抱え、建物の北側に回り込んだ。
もう既に隣の建物に延焼し、火の手を上げていた。
そこから、数十軒ほどの店舗や民家に燃え広がるのに時間は掛からなかった。

延焼の速さが尋常じゃない…ホースもさらに繋いで、東へ東へと炎を追いかけたが、食い止められない。

「ホース足りない!探せー!」
「ホース伸ばせー!」
「水くるぞー!」
「筒先しっかり持てー!」


消火作業に当たった者、全員余裕がなくなっていた。

建物の表側の火は消せても、内側の火まで水が届かないので、消せたと思った場所から再び炎が出ていたり、ガスに引火していたので手が出せない所もあった。

「キリがないな・・・」
途中から応援に駆け付けた分団員もいたので、私は少人数で消火作業に当たっている他の分団の筒先とホースを持って建物内に入り放水した。
建物の中は真っ黒で、2階の床が抜け落ち、窓の方を見るとオレンジ色がボンヤリ揺らめいていた。隣の建物がまだ燃えているらしい…。

地道に消火作業を続けているうちに、急にホースの圧力がなくなり水が止まる。
「ん?あれ?ホース折れてる?」
他の団員が「ガス欠か…」とつぶやいた。


放水から6時間…消防車のガソリンが切れて、ポンプが動かなくなったのだ。
気が付けば、もう朝の5時になっていた。

その頃には炎が建物から顔を出している所もなく、白い煙を吐き出しているだけになっていた。

その後すぐに撤収の無線が入り、現場を後にした。
全員かなり疲労していたのは間違いないが、「こんな大きな火災は初めてや」などと、今回の火災を振り返り、話をしながら詰所に戻ってホースを片付けた。
「今日もこれから仕事なんだよ~」
「俺は午前中だけ仕事休もうかな(笑)」

という会話が地域のボランティアである消防団員らしい。

酷い被害が出たが、死者が出なかったことは本当に良かった。
神職である私は、神社に戻ってすぐに尼崎の防火と市民の平安を氏神様に祈った。

3月に入って5回も火災による出動…皆さんも火の始末にはくれぐれも気を付けて下さい。
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コメント

またまた

3月20日 1時頃、また市場で火災発生しました。今回も3000平方メートル、市場の一角が全焼しました。

本当に3月に入って、火災が急激に増えていますね。

今回の市場火事も、まだ出火原因はわからないみたいです。
私の個人的な見解ですが、どうも放火による火事のような気がします。
3月8日に火災に遭った市場、今回の市場も、ほとんどシャッターの閉めている店舗が並ぶ市場だったようです。

今月は市場だけでなく、バイクを狙う放火も多く、私が出動しただけでも3件もあります。
人気のないガレージ、駐車場、市場が近くにある家、地域は充分注意して下さい。

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